スペインの革工房

たっぷりと時間をかけ、丁寧に作る

エトネレザーに命を吹き込む作業。革を切り、貼り付け、縫い合わす。全ての作業をひとつひとつ丁寧に手作りで行います。エトネは、自分の手から生み出す作品に自信と責任をもつ気高い職人から生まれています。

世界的ブランドの革製品を委託生産するスペイン南部の町

エトネの制作は、スペイン南部の町で行われています。ここは人口約18,000人の小さな町で、18世紀から革製の製造が盛んに行われています。この村は非常に特殊な村で、世界的ブランドのLuis Vuitton、Loewe、Gucci、Hermes、Chanel、Carolina Herrera、Balmain、Nina Ricci、Christian Dior、Givenchy、Cartierなどが革製のバッグや財布などを委託生産しているのです。9割の町人が革関連の仕事を持ち、革職人の多くは10代より革制作に携わっています。その世界ではもっとも有名な生産地の一つであり、そこで作られたことが品質の保証となるほどなのです。

繊細な作業

エトネ職人も例外ではなく、10代より工場の見習いとして入り、今ではキャリア25年以上の大ベテランです。Hermes、Chanel、Loeweなどの世界的ブランドの制作も請け負う技術を持っているため、エトネの技術はそれらにひけをとりません。エトネの商品はすべてが手作りであり、パーツが細かく分かれているので、さらに高いレベルが要求されます。

スペイン製財布手作り

パタカブラの音が躍る工房

この町ならではの、革道具があります。パタカブラとよばれるとんかちの役割をも持ったものです。「パタ」とは足、「カブラ」とはヤギ。パタカブラとはその形から「ヤギの足」と名付けられた道具なのです。

パタカブラは、職人同士で貸し借りをしない唯一の道具です。自分だけのパタカブラを大事にし、壊れて使い物にならなくなるまで使います。パタカブラは木でできているため、使えば使うほど手に馴染み、革を打つ場所も寸分の狂いもなく打ち下ろすことができるのです。まさに職人の魂が入った道具なのです。

工房では常にトントントンとパタカブラで革を打つ音が響き渡り、そのリズムに心が躍ります。真剣なまなざしでパタカブラを打っている職人、陽気に美声を響き渡らせながらパタカブラを打つ、リズム職人。エトネの工房は、そんないつでも明るいパタカブラの音が躍る場所です。

職人が丁寧に作る工程を特集した「パスケースができるまで」もご覧ください。