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- エトネ・レザースクール
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7回目は、いよいよミシン縫いです。ここでは基本の足踏みミシンで学びます
もくじ Table of Contents
糸の付け方
レザー糸はポリエステル100%を使い、クラレのビニモが有名です。番手と呼ばれる基準で糸の太さの表記があります。番手の数字の根拠はわからないのですが、番号が大きいと糸が太くなります。基本的には厚い革には太い糸、薄い革には細い糸を使いますが、ファッション性を出すために糸の太さを変えることがよくあります。今回は20番を使います。
上糸の付け方
糸の順番は上記写真の順番の通りです。
①糸掛けに糸を通します。(写真右に位置します)
②穴に糸を通します。この時に横にある突起物にも糸を通す場合がありますが、最低限②だけでも十分です。
③お椀のような形が二つ重なっているので間に糸を入れ、しっかりとひっぱり糸が装着されたことを確認します。
④L字に上から下へ掛けます。
⑤ピンピンと呼ばれる所に下から上へ掛けます。
⑥穴の中へ入れます。
⑦針穴に糸を通します。
下糸の付け方
下糸装着は上糸装着よりちょっと難しいですが、慣れるので頑張りましょう。
①窯と呼ばれるボビン(糸が巻き付けてあるもの)を収める器具をミシンから外します。窯が一番下に来ている状態でないと外すことができません。羽のように出っ張っている部分を立ち上げると外れます。
②ボビンに糸を通します。15cmぐらい糸を出しておき、反時計回りにされている状態でボビンを窯に入れます。
③糸を引っ張り、写真のような場所に左巻きに入れ込みます。うまく入ると、引っ張ったときに少し圧がかかる状態になりますので、簡単に糸が引っ張れる場合はやりま押しましょう。
④窯の羽をつまんだまま、元の位置に戻し入れ、羽から指を外します。
レザーミシンに座る姿勢
ここでやっとミシンをかけることができます。まずは座り方です。布用ミシンと違って右側にミシンの抑えを上げるレバーがあります。このレバーは右足の膝より少し上の腿で押しながら調整します。基本的には縫っているとき以外は上げっぱなしのほうがミシンの抑えパーツが痛みません。
また、どちらかの足を足踏みパーツにかけておくと勝手にミシンが動くことを抑制できるのでこちらも癖をつけておくとよいでしょう。
直線縫いから練習しよう
まずは動かしてみましょう。革を一枚抑えレバーの下に置きます。抑えレバーは上げたままです。
針を目的の場所にハンドレバーを使って下ろします。足踏みはまだ使いませんので足は足踏みに置いたままです。
抑えパーツを下げて(右足で押さえていたレバーを離す)、先ずはハンドレバーを回してまっすぐに縫えるか確かめてみましょう。慣れてきたら上下にずらした状態で両足を足踏み台に置き、前後にゆっくり動かしてみましょう。
描いた直線を縫って練習してみよう
今度は銀ペンで直線を描き、その上を縫って真っすぐ縫えるか確かめてみましょう。線からはみ出てしまった時は縫いながら戻すのではなく、一旦ミシンを止め、抑えを挙げて修正しましょう。曲がり角を練習するためにも四角の渦巻状を描くといいでしょう。
返し縫の練習
布と同様、始点と終点は返し縫をします。きれいに仕上げるためには、一度縫ったところに返し縫を行います。
終点の返し縫い
終点まで縫います。縫い幅がちょうど終点で終わるとは限りません。終点にきっちりと合わせるには、一つ手前で手をとめ、最後は押さえを挙げて正しい位置に針を刺しましょう。
終点まできたら、押さえレバーを戻しながら同じ穴に針を戻していきます。針を上げるときは押さえレバーを下した状態で、針を下げるときは上げた状態にしましょう。抑えがないと針が抜けにくいことと、糸がしっかりと張ることを目的として押さえレバーは上げ下げを繰り返します。
縫い終わった後の仕上げに糸を焼き切る
縫い返しが終われば、糸を5cm程度残して切りましょう。
上糸と下糸を引っ張ると、お互いの糸が引っ張り合うポイントが出てきます。そのポイントがちょうど革の表皮と床面の中に入る位置に収めます。
糸が緩んでいる場合は力強くひっぱってみましょう。ほとんどのがきれいに治ります。
しっかり糸が革の中央に入ると、糸がピンと立って焼き切りやすくなります。ツールを使って糸を焼き切り、指で素早くぎゅっと押さえましょう。
エトネポイント!
糸を焼き切るためのツールはあるのですが、エトネはライターで焼いてしまいます。理由はツールを使うと誤って革を焦がしてしまう心配があるからです。ライターでさっと表面をあぶればレザーにダメージは一切かかりません。
これでミシンがつかえるようになりました!早速ミシン縫いの作品を作ってみましょう。
エトネ・レザースクール 7回目は「皮切り包丁カバーを作ってみよう」です。
エトネは、スペイン南部で生まれたスペイン革製品のブランドです。
持っていてわくわくする、やっぱり素敵、すごく便利、そう何度も思う商品を作りたいとのエトネデザイナーの強い思いで作られました。
柔らかく、吸い付くようなしっとりとしたイタリアンレザー、ロエベを仕立てる確かな腕を持つ職人が一つ一つ手作りしています。