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エトネ・レザースクール 1回目
エトネはより多くの方々に革製品を愛用していただくためにも、革についてもっと知ってもらいたいと思います。
ここでは革の基礎知識から初心者が作れるような小物の作り方を連載していきます。
※初心者用ですのでエトネの作りとは一部異なります
皮と革
「皮」と「革」とはわかりやすくは「SKIN」と「Leather」です。皮は皮膚のことで、皮革業界においては牛からとれた革を塩漬けにしてある状態のものです。
革とは、皮を様々な工程を経て革製品を作る状態にしたものです。皆さんが見ている革製品は「革」の状態です。この工程を行う人たちをタンナーと呼びます。
皮 (SKIN)が革(Leather) になるまで
皮の断面図は以下のように、表皮に毛があり、コラーゲン層があり、一番下に真皮(脂肪)があります。真皮はとても分厚く2cmほどになります。
皮から革になるまで①:洗浄 Soakings
塩漬けの原皮を洗い、塩分やごみを取り除きます。この時に非常に多くの水が必要とされますので、質のいい水が手に入る立地にあるところにタンナーが集まっているようです。
皮から革になるまで②:裏打ち(脂肪除去)Fleshing
コラーゲン層の下にある真皮(脂肪)や肉片を取り除きます。ローラーのような機械で行われます。
皮から革になるまで③:脱毛・石炭漬、脱灰 Limiting Unhairing
石灰水につけ革を膨らませ毛を抜きます。コラーゲンが化学変化を起こし固まります。これが革の表面、「銀面」と呼ばれる強度の強い革となります。
皮から革になるまで④:分割 Splitting
銀面と床皮(反対側の肉面)を分けます。
皮から革になるまで⑤:鞣し
タンニン(渋)鞣しとクロム鞣しがあります。タンニンは自然由来の渋を使ってなめします。クロムは化学物質を使って鞣します。2種の鞣し方法はそれぞれ一長一短があります。
タンニン鞣し | クロム鞣し | |
---|---|---|
経年変化 | 有 | なし |
手触り | 固い | 柔らかいくできる |
発色 | 暗い アースカラー | 良い |
価格 | 平均して高い | 安いものから高いものまである |
作成しにくい革製品 | 衣服、靴、ソファなど | 特にない |
鞣し工程においての環境汚染 | 少ない | 化学薬品があるため汚染率た高い |
皮から革になるまで⑥:垢出し・再石灰漬け Scudding Re-liming
除去しきれなかった毛根などを排除し、美しい銀面を作ります。その後再度石灰に着けコラーゲン層が線維化した部分を柔らかく揉みほぐします。
皮から革になるまで⑦:脱灰 Deliming
皮に残った石灰を取り除きます。タンパク質を除去し柔らかい銀面を作ります。
皮から革になるまで⑧:水絞り
余分な水分を機械で絞り出します。
皮から革になるまで⑨:シェービング Shaving
床革を削り一定の厚さにします。お客様の用途に合わせて2-5mmぐらいに厚みを調整します。
皮から革になるまで⑩:加脂・染色 Oiling Dyeing
乾いてパサパサした状態なので、皮に油分を含ませ柔らかくさせます。染色は顔料または染料を使います。顔料を使うと色が均一になりますが、のっぺりとした表情になります。染色は色が染み込んでいくので濃淡がある味わい深い色に仕上がります。エトネレザーは染料を使っています。
皮から革になるまで⑫:ステーキング・張革 Staking
振動をあたえ柔らかく伸ばし、クリップや手で伸ばして縮まった革を伸ばします。
この後必要に応じて型押しをしたり、ヌバックの王に起毛をさせるなど装飾用の工程を行います。こうして皮から革に生まれ変わります。
次回
エトネ・レザースクール 2回目は革を断つための革切り包丁の研ぎ方についてです。
エトネは、スペイン南部で生まれたスペイン革製品のブランドです。
持っていてわくわくする、やっぱり素敵、すごく便利、そう何度も思う商品を作りたいとのエトネデザイナーの強い思いで作られました。
柔らかく、吸い付くようなしっとりとしたイタリアンレザー、ロエベを仕立てる確かな腕を持つ職人が一つ一つ手作りしています。