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エトネ職人が一つ一つ丁寧にタルヘテロを手作りします

正統派フォルマで、スタイリッシュ。手に優しく馴染むパスケース、タルヘテロ。タルヘテロができあがるまでには、スペインの革職人が驚くほどの手と時間をかけ、心をこめて丁寧に仕上げているのです。あなたのタルヘテロパスケースには、職人の技術と熱い思いがつまっています。

タルヘテロパスケースの製造工程は主に3つ。カッティング、組み立て、ソーイング(縫う)です。熟練職人が4つのパートをそれぞれ担当します。
それでは、実際に見てみましょう。

行程1 カッティング  Cortar

まずは、タルヘテロの型を取り出します。型は5mmほどの厚さの型用厚紙でできています。手作りの工房では、すぐにでも微調整がかけられたり、モデルチェンジができるよう、厚紙で型を作ります。

牛革をカッティング台に広げ、型に沿って一つ一つカットします。この時に大きな傷などを避けてカットをするので最新の注意が必要です。カッターは、日本製です。何度も刃先を新しくして、丁寧にカットします

裏地をカットします。裏地は3枚まとめて切ることができます。エトネの裏地はターコイズブルーで統一しています。フォーマルシューズの表地にも使われる、丈夫で汚れにくい加工がされている特別な布を使用しています。

全ての型をカットすると8枚の革と8枚の裏地ができ上ります。超薄型ですが、5つもポケットがあるため、16枚の革と裏地が重なり合っていできているのです。カットしたパーツが他のパーツと混ざらないように、型と一緒に保管します。

カッティングの仕上げとして、それぞれの革の縫い代(ぬいしろ)部分を革漉き(かわすき)し、薄くします。この作業はとても重要です。革漉きをしないと縫い合わせによって革と革が重なり合い、他の部分より厚みができてしまいます。この厚みは不要な重みにもつながりますし、デザインに悪影響がでます。革漉きをすることで、スタイリッシュなフォルムが保たれ、軽量化につながるのです。

行程2 組み立て  Montar

革と裏地を接着します。接着には3種類の接着剤が使用され、用途によって使い分けられています。接着剤は道具を使わず、指一本で塗られます。こうすることにより、接着剤に弱い革への細心の注意が払えるのです。熟練職人の技ですね。

革と裏地の接着の次は、革で裏地の切れ端を包みほつれが出ないようにします。ほとんどの革パーツにこの作業が必要ですので一つ一つ丁寧に包み込みます。とても時間がかかる作業です。

スペイン革財布

革で裏地を包み込むと、四つ角には革が二重に重なり、厚みが出てしまいます。この厚みを一つ一つ切り落とします。この細かい作業の積み重ねもまたエトネのスタイリッシュなデザインを保ち、軽量化につながります。

上下に二つ並んだ縦入れポケットの裏地を接着します。裏地がポケットの内側に袋状になるように接着し、カード類を支える役割をします。この時に上下に並ぶ二つのポケットの深さを調整します。上のポケットの方が、パスケース本体の底までの距離が長いため、そのまま裏地を作ると深いポケットになってしまいます。裏地の袋の奥行を調整することにより、丁度良い深さのポケットができ、カードを入れたときに奥まで入りすぎなくなります。

上下に並んだ縦入れポケットのフチ処理をします。ポケット部分の入り口を型押しし、革を固くしてカードを出し入れしやすいようにします。

ファスナー処理をします。ファスナーは切りっぱなしにならないように、上止といわれるスライダー(ファスナーをかみ合わせていく部品)が始発する場所の先端部分を三角に折り曲げて接着します。三角に折り曲げる時にも、ファスナーの先端の裏と表に接着剤を塗り、いったん乾かしてから折り曲げ、圧力をかけて平らにします。

ファスナーの下止といわれる、ファスナーを開けたときにスライダーが行き着く終点部分には、さらにきめ細やかな処理がされます。下止に牛革を接着し、中へ埋め込みます。おしゃれな仕上がりになります。

スペイン革職人

パーツを接着するときには、パタカブラと呼ばれる、独自の道具で革をたたきながら行います。パタとは動物の足、カブラとはヤギを意味します。つまり、パタカブラとはヤギの足という意味で、道具の形から名づけられています。パタカブラは革職人の誇りで、他の人とは共有しない数少ない道具の一つです。工房ではこの時に奏でるコンコンコンという軽快なリズムの音がいつも響き渡っています。

ここでエトネロゴの刻印をします。さすがの熟練職人も、このエトネの命を吹き込む瞬間は少し緊張気味です。長く愛されるように祈りながら刻印します。

行程3 ソーイング  Coser

接着されたパーツを縫い合わせていきます。キャリア25年以上のベテランです。この時にファスナーも縫い付けます。実際にはソーイングと組み立てを交互に行い、少しずつタルヘテロが形を成していくのです。最後には、タルヘテロの前と後ろのパーツを縫い合わせます。

最後にファスナーの持ち手を作ります。ブリリアントパイソン(蛇革)または牛革をカットします。パイソンは、うろこの小さい部分を切り取ります。

型に革をまきつけるように接着したら、一つ一つ縫います。より丈夫にするために、ダブルステッチというファスナーの周りを一周する縫い方です。

ファスナーの持ち手を付けたら出来上がりです。クリーニングを行い、箱詰めし、空輸します。タルヘテロはあなたのお手元に届くまで、箱の中でゆっくりとその時を待っています。

Our concept
カラー、品質、機能性、それがエトネのこだわりです
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