スペイン革財布の光と闇 前編

 

スペイン財布は欧米では揺るぎのない名声を得ているのは知っていましたか?欧米では認知されているスペインレザーの評判は、残念ながら日本にはまだ届いていないようです。ただ、それも近年少しかわりつつあるようです。
ここでは、スペイン財布(革製品)の光と闇をご紹介します。

スペイン財布の光

スペイン製 バッグ

 

スペインの財布といっても、あまりピンとこないとでしょう。やはりフランス製、イタリア製の人気がダントツ高いと思います。
でも、知っていましたか?多くのイタリアやフランス有名ブランドはスペインで作られています。

ペルシャやパビロンからやってきた皮革

革文化はもともと狩猟や家畜で得た食糧の余りからはじまり、ペルシャやバビロンでは品質の良い革がなめされていました。やがて、トルコやロシアを渡って、ドイツ、イギリスと欧州にももたらされました。

高品質!スペイン革財布はイスラム文化のおかげ

モロッコ 財布

 

ちょっと難しくなりますがほんのちょっとだけ歴史を紹介。ほんのちょっとです。

5世紀のローマ帝国の滅亡により、ゲルマン民族がヨーロッパ全体に移住し、それと共に皮革の技術もヨーロッパに流れていったそうです。のち、アフリカのイスラム教徒がスペインに侵入し、もともと皮革の文化を持っていたイスラム教徒がスペインに移住し、皮革技術のさらなる飛躍がありました。

こうして古くから皮革文化が根付いたスペインは、切磋琢磨し技術を磨くことによりフランス、イタリアの有名ブランドもが認める高い製造技術を持つ拠点となりました。欧州からの製作を受けるようになると町は潤い、技術は親から子へと引き継がれこのまま順調に進んでいくと思われていました。

スペイン革財布の闇

 

このまま続くと思われたスペイン革財布の文化。しかし、時代の波はここ数十年で目まぐるしく変わり、スペインの革財布文化も幾度もの荒波にもまれてしまいます。

スペイン財布からモロッコ財布へ

景気が良かった80年代あたりより、スペインに委託していたイタリアやフランスのハイブランドは、コストダウンを求めてモロッコに生産拠点を変えます。モロッコはヨーロッパと地中海を隔てて隣接しているうえ、皮革文化が古くより発展していたため好都合な委託先でした。さらに、中国ベトナムへとコストダウンを求め製造拠点が変わり、スペインの革製品受託量は激減しました。

世界の工場中国

財布 買い物

 

中国が、世界のあらゆる製品を受注し制作していたことは記憶にも新しく、そして現在も引き続き行われています。ただ、ここでトップブランドは痛い目にあいます。

品質コントロールの難しさ、そしてあふれる模造品の差し止めに手を焼きます。工場を移してしまったがゆえに大きなロスを生んでしまったのです。

こうして痛い授業料を払ったトップブランドは、ようやくスペインでの生産のコストパフォーマンスの良さに気づき、生産拠点をスペインへと戻しました。

 

まだまだ続く、スペイン革財布の闇…。

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